子どもの1日は、5時間27分がスクリーンに消えている

2026年2月、こども家庭庁が公表した調査結果は、多くの保護者にとって想像を超える数字でした。そして本当の問題は、その数字が「毎年増え続けている」ことにあります。
- 1日25分ずつ、増え続けている
- これは、子どもだけの話ではない
- 7万人を10年以上追跡して見えたこと
- 2026年、世界は「アナログ」に戻り始めた
- ブロック遊びについて、研究は何を示しているか
- 手を動かす趣味を、5つ比べてみた
- 「良いブロック」を分けるのは、素材だった
- 編集部が注目したキット
011日25分ずつ、増え続けている
こども家庭庁が2026年2月に公表した「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、青少年のインターネット利用時間は1日あたり約5時間27分。前年度より約25分増加しました。
睡眠を8時間、学校を7時間とすると、残る自由時間はおよそ9時間。その半分以上が、画面の前で過ぎていく計算になります。
※全学年で前年を上回り、小学生高学年は前年比+26分
さらに東京都が2026年4月に公表した調査では、小学校低学年(1〜3年生)のスマホ所有率が初めて3割を超え、31.8%に達しました。約3人に1人が、すでに自分専用の端末を持っています。
02これは、子どもだけの話ではない
2026年6月、日本経済新聞はある新しい症状について報じました。「スマホ認知症」——長時間の使用で脳が疲労し、物忘れや集中力低下といった認知症に似た症状が現れる状態です。
報道によれば、悩む人は30代にも広がっているといいます。2025年6月には東京に国内初の専門外来が開設され、予備軍は1,000万人から2,000万人と推定されています。
「集中力が続かない」 ― スマホ認知症の主な自覚症状

子どもにスマホを制限しようとする親自身が、気づけば同じ画面を何時間も見ている。多くの家庭で起きているのは、そういう状況かもしれません。
037万人を10年以上追跡して見えたこと
東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授らは、2010年から仙台市教育委員会と共同で、市内の公立小中学校の児童・生徒約7万人を対象とした大規模調査を続けてきました。
そこで見つかったのは、デジタル機器を1時間を超えて使う子どもほど、学力が低いという傾向でした。
出典:東北大学加齢医学研究所・仙台市教育委員会 共同研究
研究チームはさらに踏み込みました。約200人の子どもの脳を、MRIで3年間追跡したのです。
その結果、スマホ・タブレットの使用頻度が高い子どもたちは、3年前と現在の脳の画像にほとんど差がありませんでした。本来であれば発達しているはずの期間に、変化が見られなかったということです。
042026年、世界は「アナログ」に戻り始めた
こうした流れを受けて、各国では制度面の動きも進んでいます。フィンランドでは2025年8月から小中学校での端末使用を制限する法律が施行され、フランス、イタリア、オランダ、中国でも同様の規制が導入。韓国でも2026年3月から実施される予定です。
そして生活者側にも、静かな変化が起きています。電通グループが2026年5月に発表した「Dentsu Creativeトレンド調査2026」は、企業が認識すべき5つのマクロトレンドのひとつとして「デジタル疲れが生むアナログへの渇望」を挙げました。
Forbes JAPANも、専門家の予測として2026年が「アナログなライフスタイルの年」になると報じています。編み物、陶芸、ガーデニング——手を動かす趣味を始める人が増えているといいます。
「消費」から「生産」への転換にある ― Forbes JAPAN(2026年)

05ブロック遊びについて、研究は何を示しているか
アナログな遊びのなかでも、ブロックを使った遊びは古くから研究対象になってきました。ここでは、査読付き学術誌に掲載された研究をいくつか紹介します。
Rhodes大学のJirout博士とTemple大学のNewcombe博士は、4〜7歳の児童847名のデータを分析しました。その結果、パズル・ブロック・ボードゲームで頻繁に遊ぶ子どもは、そうでない子どもと比べて空間認識の成績が高い傾向が示されました。
インディアナ大学の研究チームは、8歳児を2グループに分け、一方にはブロック組み立て、もう一方には単語ボードゲームを5セッション行いました。前後で空間回転課題を測定し、遊びの種類によって空間処理への影響が異なることを報告しています。
複数の実証研究のレビューによれば、就学前に複雑なブロック構築ができた子どもは、その後の学齢期(小学校〜高校)において算数・読解の成績が高い傾向が報告されています。他の一般的な認知能力を統制した上での結果です。
上記はいずれも「ブロック遊び」という活動全般を対象とした研究であり、特定の商品の効果を示すものではありません。また多くは未就学児〜小学生を対象としており、対象年齢や遊び方によって結果は異なります。
06手を動かす趣味を、5つ比べてみた
では実際に、どんな趣味が「画面から離れる時間」をつくってくれるのでしょうか。編集部で代表的な5つを整理しました。
土に触れる時間は、たしかにスマホから離れられます。ただし窯や道具が必要で、多くの場合は教室に通うことになります。始めるまでのハードルが高いのが難点です。
道具が少なく、家で始められます。一方で、最初のうちは同じ動作の繰り返しになりやすく、子どもが飽きやすいという声も。完成までのイメージが見えにくいのも特徴です。
手軽で、完成形が明確。集中しやすい趣味です。ただし完成後は平面のため、飾る場所を選びます。一度完成させると、また崩すことになりがちです。
屋外に出るきっかけになります。ただし成長を待つ時間が長く、「まとまった集中の時間」にはなりにくい面があります。住環境にも左右されます。
道具が不要で、届いたその日から始められます。ピース数が多いものほど連続して手を動かす時間が長く、完成後はそのまま立体物として飾れます。
07「良いブロック」を分けるのは、素材だった
ただし、ブロックなら何でも良いわけではありません。取材を進めるなかで、購入者の不満として繰り返し挙がったのが「はまらない」「すぐ外れる」「グラグラする」という声でした。
この差を生むのが、素材と成形精度です。
玩具や家電の外装に広く使われる熱可塑性プラスチック。3つの成分の頭文字から名づけられています。
ブロックの「カチッ」という手応えは、感覚的なものではありません。寸法のばらつきが小さいほど、はめ込みは安定します。逆に安価な素材で成形精度が低いと、わずかな歪みが積み重なり、組み立ての途中で崩れやすくなります。
5,000ピースを超える大型キットでは、この差が決定的になります。1ピースあたりのわずかな誤差も、積み重なれば全体の歪みにつながるからです。
- 素材が明記されているか(ABS樹脂かどうか)
- ピース数に対して説明書が段階的に構成されているか
- 完成後のサイズが明示されているか
- 対象年齢が記載されているか
08編集部が注目したキット
以上の条件——長く手を動かせるピース数、明記された素材、段階的なガイド、完成後に飾れる立体——を満たすものとして、編集部が注目したのがBlocksLandの「メガビルド・ベア」でした。

高品質ABS樹脂を使用し、指先で押すとカチッとはまる精密設計。ゆがみやぐらつきが少ないため、組み立ての途中でストレスを感じにくいのが特徴です。
正直にお伝えすると、簡単ではありません。数時間で仕上げる方もいれば、数日かけてゆっくり進める方もいます。ステップ式のガイドがあるので、焦らず少しずつ進めれば形になっていきます。
完成すると高さ約43cm。そのまま部屋に飾れる存在感のあるインテリアになり、手を動かした時間が、毎日目に入る場所に残ります。

| 素材 | 高品質ABS樹脂 |
|---|---|
| ピース数 | 5,000ピース以上 |
| 完成サイズ | 高さ約43cm × 幅約24cm × 奥行き約13cm |
| デザイン | 10種類から選択可能 |
| 付属品 | ステップ式説明書/はめ込みハンマー |
| 対象年齢 | 6歳以上 |
NTTドコモ モバイル社会研究所(2025)「2025年 親と子の調査」
東京都 都民安全総合対策本部(2026)「家庭における青少年のスマートフォン等の利用等に関する調査」
東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所(2026)「子どもの生活と学びに関する親子調査2025」
Newman, S. D., Hansen, M. T., & Gutierrez, A. (2016). An fMRI Study of the Impact of Block Building and Board Games on Spatial Ability. Frontiers in Psychology, 7, 1278.
Zhang, X. et al. (2020). Spatial Skills Associated With Block-Building Complexity in Preschoolers. Frontiers in Psychology, 11, 563493.
東北大学加齢医学研究所・仙台市教育委員会 共同研究(2010年〜)
電通グループ(2026年5月)「Dentsu Creativeトレンド調査2026」
Forbes JAPAN(2026年)「2026年、アナログは『贅沢』なものに」
世界経済フォーラム(2025年10月)「スマートフォン依存拡大に対する、日本の新たな取り組み」


